「俺の屍を越えて行け」
1999年に発売された「俺の屍を越えて行け」という長いタイトルのゲームがあります。本作ほどゲームにありがちな『死』の軽さを問いかけた作品はないでしょう。この作品を宣伝するCMでも、死による世代の継承をテーマにした演出がなされていて、リアルタイムで見ていて不思議な気持ちになったのを覚えています。
このゲームは和風RPGと呼べるものですが、世代交代という名の死がいくつも訪れるばかりか、ラスボスとの決着もどこか釈然としないものが残る、非常にクセのあるゲームだと言えます。しかもプレイするキャラクターに愛着が湧いた頃を見計らうようにして寿命を迎えさせて『死』を演出させることから、多少アザとさも感じられますが、それを差し引いたうえでも、このゲームには魅力的なものを感じることが出来るのです。
このゲームはデザインを一新、ゲームシステムを一部修正したリメイクバージョンが発売されましたが、古参の私としては、冒頭で書いた年に発売されたPS版でプレイして欲しいと思います。何故ならこのゲームは『古さ』にこそ価値があると個人的に考えているからです。このゲームの舞台は平安時代という過去の世界で、そこから何世代もの長き年月を経てゲームをクリアすることで『歳月』というものも考えることが出来るゲームだからです。新しいグラフィックだとこの『歳月』を感じることが出来ないのではないか。むしろ過去の作品だからこそ、このゲームの価値が出る。そんな珍しい作品だと思うからです。